2001.10.29号 07:00配信


大草原からのぷちメッセージ

さとうだいこん一個百円也!?

(by いくちん)


春一番に作業が始まるビートの撒き付け。ビート植えの方法には2種類あります。ハウスの中で苗をたてて畑に移植する方法と、種を直接畑に撒く方法。前者は雪解け前から作業が始まり、プランターなどのコストもかかるため最近では、比較的簡単な直撒きをする農家が増えてきています。そうとは言っても、草取りはもちろん収穫時の手作業が多いため敬遠されているビート作りです。

以前は苗をたてて移植していた我が家のビート作りですが、次女が誕生した頃から、労働力の不足等で休止していました。(あんな大変な仕事、二度とするもんか。とも思ってた。)ところが、今年の雪解け間近、父ちゃんが、「相談したい事があるんだけどー。」と切りだし、「畑が余ってるからビートを作ろうと思うんだ。」と言うのです。私の脳裏には以前経験した真夏の辛い草取りの光景が・・・。「ちょ、ちょっと考えさせて。」と言ったはずなのに、数日後には甜菜(ビート)とかかれた種が配布されてきた。つまり、あの時の話は『相談』ではなく、決定した事の『報告』だったのだと、その時気づいた私です。

“騙された〜”という悔しさをバネに始まった今年のビート作り。日頃の行いの善さからか、今年の夏は然程暑い日もなく、ビートの草取りには最適。クマに遭遇しそうな沢の草を取る時も、はたまた、大量の虫に襲われそうな蒸し暑い日にも、収穫の喜びを想像しながら体に鞭打って働いた、働いた。(実際は・・・ほどほどに休みながら働いた。)

そして迎えた収穫。4件で共同作業のため、順番が最後の我が家のビートはまだ土の中。ハーベスターの付いたトラクターが2台。その後ろをついて機械から落ちたビートや、堀り残ったビートを拾う私。急斜面の畑では、足が棒のようにコチコチになる。運転手次第では、ついて行けず走って追いかける事もー。一緒に働いているベテランのおばさんが、「一個百円だと思って、百円玉が落ちてると思って拾いな!」なんて事を言うんです。そんな事を言われちゃうと、つい欲目が出てしまいますよね。土に穴が開くほどギロギロと凝視し拾っています。本当に、『さとうだいこん』一個百円かどうかは調べる術もなく不審なままですがー。このベテランおばさん、「大地のくれた恵み。人間と自然の造った物だから一個百円ほどの価値があるんだよ。」という事を教えたかったのかも・・・と思うようになった私。年を重ねた証拠かな!?




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