2001.12.21号 05:00配信


さよママのひよっこ育児日記

時間薬



 「やっと」というか、「もう」というか。先日、娘が4歳の誕生日を迎えた。保育所での集団生活にもすっかり慣れ、毎日よく遊び、よく食べ、よく眠る。そんな娘を見て、いろんな知り合いが声をかけてくれる。「大きくなったね」「すっかりお姉ちゃんだね」…そして何より嬉しい言葉。「ほっぺた、きれいになったねえ!」

 生後間もなくから、ほっぺたを中心に引っ掻き傷が絶えなかった娘。アトピーによるかゆみで掻きむしった結果である。一番目立つ場所だけに、母親の私も気になってしかたがなかった。「大丈夫、大きくなったら良くなるよ」、そう言ってくれる人もいたけれど、一向に改善しない症状に焦ってばかりの日々だった。

 今年4月に保育所に入ったときも、不安は尽きなかった。環境が変わるけれど大丈夫だろうか。ひどくなったらどうしよう…。
 ところが、である。本当に「え?」という間に、みるみるほっぺはきれいになり、今ではほとんど傷もない状態。完治したというほどではないが、とにかく大進歩だ。赤ちゃん時代には味わえなかった「つるつるほっぺ」の感触を、今頃になって楽しんでいる。
 体力もつき、消化力も発達してくる。保育所で毎日いろいろな経験をする。心身ともに強くなってきて、アトピーに負けない力が出てきたのだろうか。大きくなったら良くなる、というのは本当なのかもしれない。

 娘が生まれてからずっとつけている日記がある。久し振りに読み返してみて、ふと気付いた。アトピーに関すること以外にも、小さな悩みがいろいろと綴られているが、そのほとんどが時間の経過とともに着実に解決されている。コップの使い方がなかなか上達しなかったこと。遊びながら食べるくせが直らなかったこと。寝付きが悪くて、30分おきに泣きながら起きてきたこと…今ではすっかり昔話になってしまった。

 「時間薬」という言葉を聞いたことがある。どんな問題も、時間が一番の薬。過ぎていく時間によって、どんな傷も癒されるのだという。子供たちは知らないうちに、ポケットにこの魔法の薬をしのばせているのかもしれない。
 この先まだまだ続く、子育ての道。辛いときは、時が味方になってくれると信じて頑張ろう。私のポケットにも、「時間薬」を入れて。


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