1999.10.22号 15:30配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine




NO.5 木の節

 柱は「四方無節がいい」なんて、いまだにこの常識がまかり通る。木材の善し悪しは実はJAS、日本農林規格で決められている。良い木材には均質さが求められ、節は欠点とされ節の多い木は等級が下がる仕組みになっている。木に節があるのは当たり前、なぜなら節は枝の跡だから。枝は葉を広げるために無くてはならないもの、枝の無い木などあるはずがない。木にJIS、日本工業規格と同じような均質さを求める方が酷というもの。木で枝の無いところといえば地面に近いところの幹で、成長の途中で日陰となる根本の枝は自然と枯れて落ちる。四方無節の柱は、この元玉と呼ばれる根元の幹で、それも相当太い木でないと取れない貴重なもの。木を真上から見ると幹を中心に枝が円形に広がっている、光合成を行う葉が太陽の光を最大限に受けることができるようにと工夫されている。また、風や雨、雪などで折れないようにと丈夫な硬い細胞でできているので、幹とは違う濃い色をしている。それが節の色。




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