2000.6.30号 09:00配信

ネパールの通貨はルピー(Rs)とパイサ(P)。市場ではルピー札が出回っていて、Rs1, 2, 5, 10, 20, 50, 100, 500, 1000の９種類がある。コインはP5, 10, 25, 50, Rs1, 2, 5, 10の８種類。パイサは日本だと「銭」に当たり、1Rs=100P。あまり見かけないが、たまに１ルピーのお釣りが50Pコイン２枚で戻っくる時もある。 銀行の営業時間は月〜木が１０時〜１５時、金曜は１３時までで、土曜は休日。短いよね。Nepal Grindlays Bankは１５分早く始まるけど、開いたと思ったら閉まっちゃうイメージがある。それに、私はどーも銀行と相性が悪い。いつもいちゃもんを付けられる。 ある日、私は一万円を両替しようと思った。Bank of Kathmanduが近所にあったが、何も知らずに入ってうろうろしていたら警備員に止められた。どうやら、そこはドルしか使えないらしい。仕方がないので、２０分程歩いてNepal Grindlays Bankへ。ここは外国人が利用する国際銀行。日本円もばっちり使える。よしよし。パスポートを見て用紙に記入。その日のレートは、１$=Rs67.3、\10=Rs5.7だった。 <Application form> DATE 今日の日付 AMOUNT 両替したい金額 NAME 名前（大文字ブロック体で） NATIONALITY 国籍 PASSPORT No パスポート番号 PLACE OF ISSUE パスポート取得地 DATE OF ISSUE　発行年月日 DATE OF EXPIRY　有効期間満了日 ADDRESS IN COUNTRY OF DOMOCILE 本籍地の住所 ADDRESS IN NEPAL　ネパールでの住所 TELEPHONE NUMBER IN NEPAL ネパールでの電話番号 SIGNATURE サイン 記入が終わったら、用紙とお金とパスポートを窓口へ。さあて何を買おうかなと考えていると、受付のお姉さんからストップがかかった。 受　すみませんが、このお金は使えませんよ。 私　え！何で〜！ 受　ほら、ここ。少し破れています。 私　あ。。 受　他のお札はありますか？ 私　・・・持ってきていません。ダメなんですか？ 受　はい、破れているのは両替出来ません。 私　たった１センチじゃないですか。絶対ダメですか？ 受　規則ですから。 私　うう〜。 ちょっと粘ったがやはりダメだった。歩くと往復４０分。タクシーでも２０分はかかる。時計を見ると、定時まで約１時間。急ごう。銀行を飛び出し、タクシーを探す。いつもは道端で客待ちしてるタクシーが今日に限って見当たらない。どうしよう。焦った私は自力で帰ろうと走りだした。と、その時、日本人らしき観光客グループが向こうから歩いてくるじゃないか。おお！こりゃ、チャ〜ンス。訳を話すと、快くお札を交換してくれた。日本人は良い人だ。お礼を言うと、銀行へ走り戻り、窓口へお札を出した。やけに速かったので怪しまれたが、何とか両替は出来た。お金を確認して、バンクレシートにサイン。円だとたった一枚なのに、ルピーで貰うとやけに多く感じる。それにしても汚ないお札。汚いのはＯＫなんだろうか。 その後、事務所近くにNepal Rastra Bankを見つけた。かなり大きな建物で、前庭にはきれいな花が咲いていた。通りの奥にあるので静かで落ち付ける。雰囲気と外観はとても素晴らしい。ところが！１０時過ぎに中を覗いたが誰もいない。ドアは開いてるのに、誰もいないなんて無用心じゃないかと思いながら待っていると、行員がやってきた。しかし、またまたショック！ここでも日本円は使えないらしい。うそ〜って感じだが、ダメといわれては仕方ない。すごすごと職場へ向った。 大きなホテルなら日本円からの両替も可能だが、宿泊客以外は迷惑がられる。大金はもちろんお断り。事務所でその話をすると、別の銀行を教えてくれた。徒歩２分のNepal Bank Ltd.なんだ、近いじゃないか。てくてく。え〜っと、この辺よね。あれ？行き過ぎたかな。ちょっと戻ろう。・・・う〜ん？ないぞ。反対の道かな。うろうろ。え？どこ！？同じ所をぐるぐる回った挙句、結局見つけられず事務所へ帰った。「ねえ、どこ？」「歩いてすぐだって。」詳しく教えてもらい、もう一度同じ所へ。注意深く探していると、あらあったよ、ボロい銀行が。 ま　　すいません。両替したいのですが。。 係１　は？ ま　　いや、だから、これを。（一万円を見せる） 係１　ああ。チェンジね。あっちへ入って。 ま　　入る！？（カウンターの中に入って座る） 係２　ここへ書いて。ねえ、レートはいくらだっけ？（と叫ぶ） 係３　５．７じゃなかった？ ま　　あの・・・書きました。 係２　はいはい。え〜っと、お金はこれね。サインして。 なんと私は、カウンターの裏側へ招き入れられ、手続きをした。ふと見ると、側でお金が山積みになっている。日本では考えられないや。行内の様子ものんびりしている。皆、談笑したり、お茶を飲んだり。ぼ〜っと座っていると、私にもお茶が出た。いえいえ、と断ったが、まあ飲めと言われ、飲んだ。なんとも気楽でいい感じ。レートが安いかと心配したが、Nepal Grindlays Bankと同じで安心した。見かけはいまにも倒れそうだが、怖い警備員がいないのが良い。いかにもネパールらしい大衆的な銀行。ここなら気楽にこれそうだ。お気に入りの銀行を見つけ、私の銀行嫌いは治った。めでたし、めでたし。 銀行らしくない銀行、Nepal Bank Ltd. Nepal Bank Ltd.でもらったバンクレシート ※文および写真の転載を禁じます。