2001.6.11号 07:00配信
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大草原からのぷちメッセージ

仔牛に負ける私

(by いくちん)


みなさん、ご存知でしたか?牛の歯って、下にしかないんですよ!
ある日、食欲不振で獣医さんに診てもらった牛。診察の結果、ケトーシス(分娩後の高乳量牛が陥る)。口から投薬しました。ロープで頭を縛り、それを鉄柱に巻き付けて押さえます。獣医さんが、薬を飲ませようと口を開けた瞬間、「え〜牛って虫歯になるんですかー?」っと私。だって、ブヨブヨの唇の奥に見えたのは、乳歯が抜けて生え変わる子どもの前歯のようだったのです。

最初の私の担当は、仔牛のミルクやりでした。それがずっと固定してしまいました。対象が小さいので、体力的にも”楽”な仕事です。でも、考え方次第では一番重要な役割だと思いませんか?牧場の資産を育てるのだからー。この時期に風邪引かせたり、下痢させたりすると後々、親になるまで尾を引く事になります。

生まれたばかりの仔牛の体重は、約40〜50k。ほとんどが私より重い。哺乳バケツ(鉄バケツにゴムの乳首が取り付けられていて、そこから牛乳が出る)で初乳を飲ます時は、なかなか吸い付いてこないので、両手で頭と体を押さえ、股にバケツを挟んでー。もしくは、その逆。両手でバケツを持って、股に仔牛の体を挟んでー。ある時は、仔牛に馬乗りになって哺乳中、仔牛が暴れてー。私はと言うと、もちろん振り落とされた。この状況、想像がつきます?

体制が整ったところで、自分の指を吸わせて哺乳バケツに誘導します。冒頭で話したように、牛には上の歯しかない。愛嬌があり、それはもう可愛らしい。っと思って油断すると・・・勢い余って、ガブリ!おかげで私に指は傷だらけ。牛の歯だけに私には刃がたたない・・・(~~;) とにもかくにもこの仕事、決して容易なものではありません。


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