2002.6.5号 06:00配信


大草原からのぷちメッセージ

みそ汁の話し

(by いくちん)


結婚して10年目になる今年、我が家に人生最大の転機が訪れた事は、このメッセージを読んでくださっていた方には承知の事ですが、今日また些細な、それでも私にとっては重大な出来事がありましたのでここに書く事にしました。

私は朝、だいたいみそ汁を作ります。長女がみそ汁好きなのもありますが、父ちゃんの弁当(4段重ねの面倒なランチジャー)に入れるためなのです。今朝はあいにく、前夜遅くまで「読み聞かせの会合」があり、普段より30分の寝坊をしてしまったため、最後に作るみそ汁の味見をしなかったのです。それがこの重大事件の発端となりました。

こんな小説みたいな書き出しをすると、「怪しい雲行き、きっと夫婦げんかだね」とお思いの方もあられるでしょうが、そうではありません。実は父ちゃん、これまで9年間、毎朝私の作るみそ汁を中身の具だけ食べ、汁を飲んだ事がなかったのです。それについて私、最初の頃は「汁を飲まないみそ汁なんて、もう作らない」などとダダをこねたりしていましたが、最近では「この人、変人だわ」と、ほとんど諦めモードでした。それが今日、初めて汁の一滴残さず飲んだのですよ!どういう事だぁ?っと私も飲んでみると、全くもって不思議なもので、一口飲んで、もういらないというほど薄味、白湯のようなみそ汁でした。

そういえば、新婚当初「このみそ汁“からい”」と言われた事が何度もありました。私は「“からい”ものは何にも入れてない。舌がおかしいんじゃない?」と右から左の対応をしていました。しかし、父ちゃんが言っていた“からい”というのは“しょっぱい”という意味だったのです。東北産の私のみそ汁は間違いなく“からい”ではなく、“しょっぱかった”のでしょう。味覚と言葉の違いで、この9年間擦れ違いのまま生活してきたかと思うとー。まして子ども達に私の味覚を押し付けてきたかと思うと大海を知らなかった事を恥ずかしんでいます。そしてまた、ここにきて新しい発見が出来た事で生活に変化が現れるような気がし、些細な事件を大事にしたいと思いました。



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