2001.6.25号 07:00配信
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大草原からのぷちメッセージ

農家的・農家風

(by いくちん)


「○○さん、交通事故だってー」っという話が、翌日には「○○さん、事故で大怪我したんだってー」とか、「○○さん、人を引いたんだってー」なんて事になる。人の噂というものは、どこに居ても恐ろしいものだが、農家の場合は、これに余計なプラスアルファ〜が付いてるように感じる。(そう思うのは、私だけかな?)農家として(農家的)・農家らしく(農家風)、どう捉えるか?どう考えるか?

例えば吹雪の日、畑に車を落としちゃったら、近所の人皆で引き上げてくれるだろう。牧場の労働力が事故で入院したら、地域中で交互に仕事を手伝ってくれるだろう。そんな良い面もあるのだが、見方を変えれば、干渉的って事。そんな農家の嫌な面が見えた時むしょうにそれに敏感になってしまった。何処に居ても何をしていても、人に見られているような気がしてならなかった。朝の仕事が一番早い家はどこか?とか。あそこの家は、ばあさんに草取りさせて若い者は遊んでる!とか。夜、何時までも牛舎に電気付いてる!とか。

結婚した当初、「ここら辺の道で人に会ったら、頭を下げるように。こっちは知らなくても、相手は大体知ってるんだからね。」っと言われた。ある日、言われたようにすれ違い際に頭を下げた、通りすぎた時、「あらっ」っと思い振り向いたら、作業着にヘルメットをかぶったおじさんが二人。近くの工事現場で働く作業員だった。またある日、仲良しの友達の車を見かけたので、大きく手を振った私。近くまで来て良く見たら、友達の家のおじさんだった。そんな事が何度もあり、私は家から出るのが嫌になって来た。

いつも誰かに見られている。「農家のくせに・・・。」と言う人の話を耳にする度に、「農家だから何だってんのさー!!」大声で叫びたくなる。「農家って大変だよねー。」と人から同情されて、「あぁ、農家って大変なんだぁー。」と改めて感じる。自分が農家だという事を隠したくなる時もよくある。農家というのは、“生かされている”という喜びを感じられる一番人間的な職業なのになぁ〜理想と現実とのギャップに悩んだ時期のお話でした・・・


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